いろいろな疑問


−授乳中の食事や薬−

「母乳だけだと大変」と言われる理由の中に、「好きなものが食べられない」「お酒は飲めない」「薬が飲めない」ということもあると思います。 皆さん、ぐっと我慢してらっしゃるのだと思いますが、本当にそんなに厳しく制限しなければならないものなのでしょうか?


◇食事について

母乳は血液から作られますから、母親が食べたもの飲んだものはその成分が血液中(=母乳中)に含まれます。食べたもので母乳の味も少しずつ変わるのだそうです。 でも、ケーキを食べたらケーキ味...ということではありません。
授乳中の食事で大切なことは「いろいろなものをバランスよく食べる」「水分を十分に摂る」ということです。 好きだからといって、お菓子ばっかり食べたり、肉ばっかり食べたり、と偏った食生活をすることは授乳中でなくてもよくないですよね。 肉も魚も野菜も、海草も穀類も、多くの種類のものを食べるように心がけ、好きなものも"食べ過ぎなければ"食べてよいと思います。
好きなものを全然食べずに我慢するのは、とてもストレスが溜まります。ストレスは母乳育児の大敵です。 「赤ちゃんのために」と、好きなものを我慢するのではなく「自分自身の身体のために」バランスの取れた食生活を心がけるようにしましょう。

念のため、特に食べ過ぎに注意したほうがいいと思うものは次のようなものです。
刺激物(チョコレート・カレー・唐辛子類)を食べると赤ちゃんが母乳を飲まなかったりすることがあるようですし、 甘いもの、脂肪分が多いものなどは、乳管や乳口がつまりやすくなる方もあるようです。

また、水分は十分に補給する必要がありますが、ジュース類ばかり飲むのはダメです。ジュース類は果汁100%のものも含め、とても糖分が高いからです。 コーヒー・紅茶・緑茶などは、カフェインやタンニンが含まれるので、水分補給の目的で常時飲むことは避け、「楽しみ」として1日2〜3回飲む程度にするとよいと思います。 水分補給に常時飲むなら、麦茶や番茶、ほうじ茶、ハーブティーなどのカフェインやタンニンを含まないお茶類をお薦めします。

◇お酒について

母親が食べたものや飲んだものの成分が血液中(=母乳中)に含まれるのは事実です。 お酒の場合は、飲んだお酒の「アルコール濃度の半分程度」が母乳中に出るのだそうです(飲んだお酒の量の半分ではありませんよ!)。 そして、その母乳は赤ちゃんが口から摂取し消化器官で消化吸収されて赤ちゃんの血液中に入る、ということになりますから、さらにパーセンテージは下がることがわかるでしょうか?
お酒の場合は、泥酔状態になるほど飲んだり、常時飲酒しているような状態であるなど、血中濃度が異常に高い場合は絶対に授乳すべきではありません。 けれど、たとえばビールをコップ1杯、ワインをグラス1杯程度は、まず問題はないそうです。
ちょっとしたお食事のときや、お祝い事の時に飲むお酒や、夕食時や風呂上りの一杯はがまんしなくてもいいと思いますよ!

◇薬について

授乳中であっても、風邪を引いたり、おなかが痛くなったり、歯が痛くなったりします。これらは予防できるのが一番ですが、なかなかそうはいかないものです。 こんな状態になった時、「薬を飲まずにぐっと堪え続ける」「授乳をやめてミルクをあげて薬を飲む」どちらかの選択肢しかないと思っていませんか?
ぐっと我慢して病状を長引かせたり悪化させることは母子共に大変ですから、早く治せるほうがよいですよね。 また、授乳をやめてミルクをあげると、「ミルク断固拒否」という状態で苦労したり、 うまく飲んでくれたと思ったら「乳頭混乱」をおこして母乳を飲むことができなくなったり、という状況になりかねません。
実際は、かぜ薬、抗生物質、便秘の薬、下痢の薬、解熱剤など、一般的な薬は、ほとんどの場合飲んでも大丈夫なのだそうです。 でも、薬の成分は母乳中に出ますから、できるだけ授乳後に服薬するのがよいようです。

ただし、授乳中に飲んではいけない薬があることも事実です。抗うつ剤をはじめとした精神科で処方されるお薬や、パセドー氏病の治療薬などがそれにあたります。

どんな病気であっても、医師に授乳中であることを話して相談して治療方針や対応を考え、必要であれば薬を出してもらえるのが一番ですが、 「じゃ、しばらくミルクにして」と簡単に言い放つ医師がとても多い現実です。
別の医師に相談するか、または、最後の選択として、風邪や腹痛、歯痛などなら市販薬を飲むことも考えてよいと思います。


※補足
そうはいっても、お酒やお薬は、新生児の頃は飲まないほうがいいでしょうね。
早くて3ヶ月以降、6ヶ月を過ぎていれば、授乳後に飲むなどしていればよいのではないかと思います。



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