いろいろな疑問


−おっぱいのトラブル−

授乳中は、おっぱいのトラブルに見舞われることが多いです。どれも痛くてつらいものばかり。 できることなら、トラブルにならないようにしたいし、もしもトラブルになったらどうしたらいいのか知っておくことは大切です。
予防法と対策は....


予防法



トラブルを予防するには「正しい抱き方」「正しい吸わせ方」をすることが一番です。
正しい抱き方とは、赤ちゃんの身体がねじれないようにすること、赤ちゃんの顔が乳房と真正面に向き合うようにすること(ぶら下がるようにならないこと)などです。
正しい吸わせ方は、赤ちゃんが乳首だけを口に入れるのではなく、大きく口をあけて乳輪ごと口に入れるようにすることです。このとき赤ちゃんの唇がラッパ形に開いているかどうか確認してみてください。唇が内側に巻き込まれている状態では上手に吸えませんから唇をめくって巻き込みをなくしてください。
これらのことに注意することで、多くのトラブルは予防できますし、トラブルになった場合も回復が早くなります。
今までの抱き方や吸わせ方が適切でなかった場合、最初のうちはやりにくいと感じると思いますが、意識的にこれらのことに気をつけていれば身体が覚えてくれますし、赤ちゃんも慣れてくるはずです。
しっかり続けてくださいね。

その他、乳首を守るためにも授乳前に清浄綿などで乳首をふくのをやめましょう。もともと乳首周辺には殺菌作用のある分泌物が出ています。 清浄綿でふくことで、これが拭い取られるだけでなく必要以上に乳首が乾燥してひびわれの原因にもなります。 授乳前には清浄綿で拭くよりも、手を洗ってから少し母乳を搾ってその母乳を乳首周辺に塗るほうが、滑りもよくなりますし殺菌作用もあります。
お風呂で石鹸をつけてボディタオルやブラシでゴシゴシ洗うのも乳首の皮膚(粘膜)を傷めるのでやめましょう。

また、ブラジャーはしないでおくか締め付けの少ない通気性のよいものを着けるようにし、乳首周辺がむれないようにしましょう。 乳首の日光浴もよいそうです。

乳口・乳管のつまりや、乳腺炎などは、授乳間隔の開きすぎや脂肪分の多い高カロリーの食事が原因と言われますが、疲労も大きな原因のひとつです。 育児はとても疲れるお仕事です。乳首や乳房にぴりぴりする痛みを感じたりしたら、まず最近の生活を振り返ってみて身体を休めるようにしてくださいね。



対策



どんなトラブルであっても、授乳をやめることはありません。授乳を続けながら回復させることを考えましょう。

◇水泡・亀裂・擦り傷・噛み傷

授乳を始めて間もない頃や歯が生えはじめる頃になりやすいようです。
抱き方と吸わせ方に注意して、片方にかける授乳時間を短めに、何度も左右を交代させながら飲ませるようにしてみてください。 乳房がよく張っている時は、授乳前に軽く手で絞ってから授乳すると少し楽です。 乾燥してひりひりする場合は、馬油や羊脂(ランシノー)などを授乳後に薄く塗るとよいでしょう。
赤ちゃんが口に含むときにとても痛む場合、砕いた氷をラップにくるんでタオルで包み、授乳前にしばらく乳首に当てるか、ガーゼを4cm×6cm程度に細長く切って短辺側を四つ折にして帯状にしたものを水に浸してくるくる巻いて冷凍庫で凍らせておき、授乳直前に乳首にしばらく巻いてから授乳すると痛みが緩和されます。
少なくとも2〜3週間程度で傷も痛みもなくなるはずです。それでも回復しないようであれば、産婦人科や助産院等に相談してみましょう。

◇乳口炎・乳管炎

授乳間隔がいつもより開いてしまったり、母親が疲れていたり、脂肪分の多い食事が続いたりしたときに、乳口や乳管がつまることがあります。この詰まったところが細菌に感染すると乳口炎や乳管炎になります。
乳口炎は乳首に直径1mm〜2mm程度の白黄色の炎症(白斑)ができます。乳管炎は乳口炎から波及する場合と直接乳管が炎症を起こす場合がありますが、乳首をつまむと筋のように触れ、乳房の奥のほうまで響く痛みがあります。
軽症であれば、抱き方・吸わせ方の矯正と乳管開通操作を続けることで回復します。 自分で乳口炎の白斑の表面を破って乳管開通操作をするなどして治る場合もありますが、炎症がさらにひどくなる場合もありますのであまりお勧めできません。 どうしても自分でやるしかない場合は、イソジンを塗るなど、後の消毒をきちんとしましょう。
しつこい乳口炎や乳管炎だと、治るまでに1ヶ月以上かかることもあります。あまり長引くと乳腺炎の原因になりやすいので、産婦人科や助産院等に相談するのがよいでしょう。

◇乳房のしこり

授乳間隔がいつもより開いてしまったり、赤ちゃんがあまり飲まずに眠ってしまったりして、乳房がしこることがあります。 授乳の時にしこりの部分を指先をそろえてゆっくり強く押さえながら飲ませると、しこりがなくなることが多いです。
乳口や乳管が詰まってしこりができている場合、乳管開通操作をすることでうまく詰まりが取れれば、しこりを押さえながら乳管開通操作を続けると溜まっていた母乳が出てしこりがなくなります。 乳管開通操作をしながら、できるだけ手で溜まっている母乳を絞り、赤ちゃんにもしっかり飲んでもらうようにしましょう。
何度も、授乳のたびにしこりを押さえながら飲ませるのにしこりがなくならず、だんだんしこりが広がってじんじん痛むようになってくると、乳腺炎のすぐ手前です。こうなるまえに手当てをするようにしましょう。

◇乳腺炎

乳房に長く母乳が留まっている(うつ乳)状態が続くと、そこに乳口から細菌が感染して乳腺炎になりやすいです。母親が疲労していて抵抗力が弱っている場合も起こりやすいです。 乳腺の炎症を起こしている部分周辺が赤く腫れてその部分が熱をもちます。またもっとひどくなると高熱が出たりします。 このような場合は、できるだけ早く産婦人科や助産院等に相談するのがよいでしょう。
ただ、乳腺炎になっても授乳を止める必要はありません。多くの医師が「薬を出すから授乳を止めるように」と指導するようですが、母乳を飲ませながらでも治療はできます。 授乳を止めるように指導された場合は、できれば別の医師に相談するほうがよいでしょう。
どうしても相談にのってもらえる医師が見つかりそうにない場合、最後の手段として市販の鎮痛解熱剤の服用を検討してもよいと思います。たとえば小児用のものを服用するとか、大人用を半分の量服用するなどで、痛みや熱が下がる場合が多いです。 長期にわたって服用するわけではありませんし、授乳後に服用するようにすれば赤ちゃんへの薬の影響(ほとんどありませんが)の心配もすくなくて済みます。痛みや熱は、体力をさらに消耗させます。早く回復させるための最善の方法を検討してみてください。
乳腺炎になっている乳房からの授乳についてですが、その乳房のすべての乳腺が炎症を起こしているわけではありませんから、飲ませて大丈夫です。 できるだけ安静にして、赤ちゃんにしっかり母乳を飲んでもらいましょう。


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