いろいろな疑問


−いつまでおっぱい?−

はじまりがあれば終わりがある、授乳にもいつか終わりの日が来ます。その日は、どんなふうにしてくるのでしょうか? 授乳期間の終わり方には大きく2つのパターンがあります。「卒乳」と「断乳」です。 これらの違いについて簡単に書いてみます。

◇卒乳

子供の方から自発的に「おっぱいいらない」と飲まなくなることを卒乳と言います。
1歳までにその日を迎える子もまれにありますが、大体1歳を過ぎてから、2歳〜4歳頃までさまざまです。 時々、小学校に入っても飲んでいる子もあるとか。びっくり?でも、戦前までの日本ではそれほど珍しいことではなかったそうです。

◇断乳

母親の方からはたらきかけて授乳行為を止める・止めさせることです。
方法は、乳房に怖い顔を描いたり、辛子や漢方薬を塗ったりしておっぱいを嫌いにさせる、 泣いてもわめいても絶対におっぱいをあげることをしないであきらめさせる、といったかなり強引な方法から、 1〜2ヶ月の準備期間をおいて「○月になったらおっぱいやめようね」というように何度も言い含めて納得させて止める方法などがあります。 これらの方法を行使した結果 子供が母乳を飲まなくなった状態は、「卒乳」とは言いません。




「離乳食が完了期になったらおっぱいは終わり」
「1歳になったらおっぱいは終わり」
「1歳を過ぎたらおっぱいは薄くなって栄養はないから飲ませても仕方がない」
「いつまでもおっぱいをのんでいたら虫歯になる」
「いつまでもおっぱいを飲んでいたら自立できない子になる」

こんな風に、いろいろな話を聞いて迷ってしまいそうですが、これらは何の根拠もありません。
1歳を過ぎても2歳になっても母乳の成分に変化はありません。
母乳の乳糖そのものは虫歯の原因にはなりません。虫歯の原因は蔗糖です。 甘いお菓子やジュース、みりんや砂糖がたくさん入った甘い煮物などを食べた後に歯磨きをしないで母乳を飲んで眠ったりすることが虫歯につながるのです。
授乳期間が長かった子が自立できないでいるというデータはないそうですが、逆にしっかり自立した子供が多いというデータはあるのだそうです。

「おっぱいをやめないから夜中何度も起きるのではないか」
「授乳をやめればたくさん食べるのではないか」
「なにかというとすぐおっぱい、いいかげん勘弁してほしい」

授乳期間が長くなると、お母さんも「もういいでしょう?」という気持ちになったりすると思います。 断乳すれば夜中起きなくなるかというと、「絶対」の保障はありません。逆に寝ぐずりが激しくなって困ったり、夜泣きがひどくなる場合もあるそうです。
食べる量も、本人がまだ必要としていないなら増えないでしょうし、そうなると授乳をやめることはせっかくの栄養源を減らすことになってしまいそうです。
なんでもおっぱい、はつらいものがありますが、いろいろな気持ちを言葉や態度でうまく表現できないために「おっぱい」となっていることもよくあるようです。おっぱいを要求してきたときに「本当は何を言おうとしているのかな?」と想像して「これ?」「あれ?」と訊ねてみてはどうでしょう? もしかしたら真の要求はおっぱい以外にあるのかもしれません。

WHO(世界保健機構)では、「最低2年以上」の母乳継続を勧めているそうです。私は、これは母乳がそれだけのメリットを多くもっているということの証明だと思っています。

断乳を考えたとき、それが本当に必要かどうかもう一度じっくり考えてみてください。 授乳を継続することのよい面や困る面を思い出してみてください。自分がどうしたいかだんだん見えてきませんか? 強引な方法で断乳した場合、赤ちゃんは今まで信頼し大切にしていたものを取り上げられたと感じパニックになることもよくあるそうです。 せっかく今まで築いてきた母子の信頼関係を安易に壊してしまうのはもったいないと思います。
でも、お母さんが授乳すること自体を負担に感じてつらくて仕方ない、嫌でしかたがない、ということもあるかもしれません。 自分の気持ちを無理に抑えてまで授乳を継続すべきかというと、そんなことはないと思います。

おっぱい生活の終わりは、母子それぞれで違います。 卒乳でも断乳でも、自分たちにとって最善だと思う方法を自分で選択すればいいのだと思います。



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