2007年06月22日

はじめての「スリング抱っこ」まるわかり  <お薦め本>

はじめての「スリング抱っこ」まるわかり/太田雪江・葛西久美子・和田美保/主婦の友社


出ました、ユーザーが書いたスリング本☆
略して 「スリまる」 ( ̄ー ̄)

スリング講座 の ゆっきさん、ベビースリング愛好会 の いずみさん、Maison d'Erable の mapleさん 、いずれも人気の高いスリングサイトの管理人さんの共著による、スリングの選び方&使い方解説書です。

スリングってなぁに?から始まり、リングありやリングなしのいろいろなタイプのスリングを紹介、そして選び方から抱き方・調整の仕方まで、ユーザーならではの視点で紹介・説明されています。
ベビースリング愛好会でおなじみのいずみさんのイラストがたっぷりで目で見て感覚的に理解しやすいのに加え、文章でもしっかり解説。要所要所にQ&Aが入り、些細だけど気になるポイントもサポート。
カワイイのは、「寄り添い抱き→腰抱き」プロセスのパラパラPHOTO。スリング講座のゆっきさんがお嬢さんを抱っこする様子がパラパラ漫画みたいにページ下端についてます♪ラブリー。
いくつかあるコラムのうち、「赤ちゃんとのきずなを深めよう!」というコラムでは、ママが赤ちゃんの様子をよく見て、赤ちゃんが泣いているならその原因を探るということを繰り返すことが大切、と書かれています。スリングで抱っこしてるときに泣いたら抱き方が原因!?それだけではありません。おっぱいをあげてるのにすぐ泣くからおっぱいが足りない!?そういうわけではありません。あわてずにゆっくり赤ちゃんの様子を見ることが大切ですね。とても共感しました。

さらに、この本の後半では作り方も掲載。スリングに適した生地やリング、糸や肩部分などに入れる綿についても記載されています。リングあり、リングなし、両方の作り方が掲載されているので、手作りLOVEのママにはうれしい内容ですね。

とにかく、たっぷり充実!の内容です。

構想から出版に至るまで3年だったそうです。
スリングを利用して、安全に、快適に、赤ちゃんと楽しく過ごして欲しい、たくさんおでかけして子供のいる生活を楽しんで欲しいという著者三人の願いの集大成だと思います。


数年前から、ちらほら見かけるようになったスリングママさんですが、
「ぐえっ、あ、危ない・・・(汗」
「(下腹あたりで)ぶら~ん」
「思いっきり手で抱っこしてるやん・・・」
「背中、ねじれてますよ?」
「赤ちゃん、落ちまっせ・・・」
というような抱き方のママが多くて目が釘付けになったこともしばしばです。この本が広く紹介され多くの人に読まれて、安全に快適に抱っこしているママの姿が増えることを願ってやみません。


スリングと一緒に、出産祝いにもお薦めですっ。

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2005年05月24日

子どもへのまなざし  <お薦め本>

子どもへのまなざし/佐々木 正美/福音館書店
続・子どもへのまなざし/佐々木 正美/福音館書店


もともと育児本にはあまり興味がなかったのだけれど、ネットで知り合った友達が 「いいよー」 と言っていたのが気になって購入。
読み始めると、なんだか引き込まれてあっというまに読了してしまった。

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子どもの心が健全に育つために必要なのは ありのままの自分を受け入れてもらう という経験を重ねること。このことにより、子どもは安心感を得て自分に自信と誇りをもつことができる。 この安心感と自信と誇りが、人としての大切な基礎であり、教養はそのあとにいくらでもつけたりはずしたりできる装飾のようなもの。

では、具体的にはどんなふうに接することが大切なのか?
子どもの要求にはできるかぎり応える。それで十分。
ただし、子どもが要求していないのに親が先回りしてあれこれするのはダメ。
子どもに過剰な期待をしたり ダメだしをするのはNG。「もっと、と要求する=今のあなたには満足していない という拒否のメッセージ」として子どもの心に入るから。
できうる限り、ゆっくり気長に待つ。
イライラしたり、ついつい怒鳴ってしまうようなとき、怒りの真の対象は実は子供ではなく別のことがらであることが多い。夫に対する怒りや不満を抱えてはいないか、悩みやトラブルを抱えて相談できる相手もなく一人で孤立してしまっていないか。一人で背負い込まず、相談できる人や場所を見つけることは大切である。
子供が自分に自信と誇りをもつことができれば、あとは子供同士のかかわりの中で育っていくのが自然である。
親はなくとも子は育つ。子供同士がともに育ちあうための環境を大人はつくっていくようにしたい。

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私もそんな風にしてもらえたらよかったなぁ・・・と思いながら読んでいた。

私の家庭は、私の次に生まれた弟が10ヶ月で突然亡くなり、その2年後に生まれた弟は重度の障害を持って生まれるなど、たくさんのトラブルを経験した。その後に生まれた弟を含め3人の子供を抱えて母はこの先どうやって生きてゆけばいいのだろうとそればかり考えながら日々の暮らしに追われていたのだろう。
また、母は姉妹の末のほうであまり大切にされなかったらしく、コンプレックスの塊のような人でもあった。
父は人の話を聞いてあたたかく励ましたりするタイプではなく、「アホか、なにを言うとるねん」「そんなことではあかん」と一蹴するタイプだったので、母は父に相談してもあまりスッキリすることはなかったのではないか。
なるほど、両親(特に母)はトラブルも悩みもコンプレックスも多く抱えていたし自分がしあわせだと思う余裕などなかったろう。そのストレスから子どもに向かっての言動が激しくなったのだとしても不思議はない。

私は長女だったこともあり「しっかりして」「ちゃんとして」「もっと手伝いをして」もっともっと と言われることが多かった。怒られてばっかりだったという思い出が残る。
結婚してから、軽いうつ状態になった。
自分のことを肯定できない。自分はダンナから愛され続けると思えない。いつか見捨てられる。不安がどんどん大きくなった。眠れない合間に見る夢の中で、親に向かって「私のこと、ホンマは嫌いなんやろ?」と問い詰める私がいる。心の中では「そんなことないと言ってほしい」と願っている。でも親は「そやなぁ、ほんまのこというとキライやなぁ」としみじみと言うのだ。「やっぱりそうなんやー・・・」と、目が覚めて、ダンナに取りすがってわんわん泣いたことが何度となくあった。

この本を読んで、なぜ私は「自分は親に嫌われている」と心の奥で感じていたのだろう?という疑問に答えをもらえたように思う。
きっと、「もっと」と繰り返される要求が私の心の中で「拒否」という形で残ったのだろう。
うつの後、なんとかして自分が両親に嫌われていないという確証を得たくて躍起になっていたのだけれど、どうやら嫌われていたのではなさそうだ。そして今も続く親子関係のぎごちなさは、彼らの「コミュニケーション能力の乏しさ」が原因らしいと結論付けることで、なんだかラクになった。

この本は、続編も出版されている。「子どもへのまなざし」を読んだ人々からの質問に答えるという形で、子どもとの接し方についてさらに具体的な内容になっている。続編のほうでは、ADHDの子どもや自閉症の子どもについても書かれている。こういった障害をもつ子どもについて、正しく認識されるようになっていってほしいと思う。

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